energytransition’s diary

急速に変化する電力・エネルギー業界での出来事について慎ましく発信するブログです。

カリフォルニア州 電力の100%非化石燃料由来化を義務付ける州法成立

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先日、カリフォルニア州議会を通過していた2045年までに全電力を非化石燃料由来とすることを義務付ける法案(SB100)が、9月10日にブラウン知事の署名が完了したことをもって正式に成立した(SGIP延長を定めるSB700はまだ署名待ち)。

 

親・再生可能エネルギー派のブラウン知事がSB100に署名することは大方の想定通りだったが、業界を驚かせたのはSB100への署名と同時に、ブラウン知事が発出した行政命令(Executive Order)。

 

ブラウン知事は、カリフォルニア州において、電力セクターが州全体のCO2排出量の16%しか占めていないことから、持続可能な社会の構築のためには電力セクターのみでの取組みでは不十分であると指摘。

 

そのため、電力セクターのみならず、エネルギー・交通・農業等の各セクターで2045年までにCO2排出量をネットゼロとするべく努力することを求める行政命令(Executive Order)を発出したもの。

 

どうやら、Executive Orderは州法と異なり目標の達成義務を課すものではなく、努力義務を課すのみである模様だが、関連機関等でCO2排出量削減に向けた具体的な動きが取られることは間違いなく、CO2排出量削減に向けたカリフォルニア州の本気の取組みの先行きが注目される。

 

本当にカリフォルニア州以外のマーケットにおいてCO2排出量削減の動きがこのペースで進むのかは分からないが、このトレンド自体が広がりを見せ、日本を含めた各国が独自の方法で追随する可能性は高いと思う。

 

一つ思うのは、こうしたトレンドはリードしてこそ意味があるということ。First Moverとしてどーんとインパクトのあるメッセージを打ち出すことができれば、それだけ注目を集めるし、政治的なアピールになる。

 

そればかりでなく、先行した取組みを進めた結果として様々な課題にもいち早く直面することとなり、その解決策を模索する必要が生じるため、その解決策を紡ぎだすプロセスを学ぼうとする人材や企業を集めることができる。地元企業・機関がその解決に関するノウハウを蓄積すれば、それを後発市場に輸出することもできる。

 

後発の方がリスクを抑えられる面はあるかとは思うものの、本当に普遍的なマクロトレンドに則った動きならば、先行して失敗したとしても十分な見返りがあるのではないかと思う。それに、二番煎じ、三番煎じでは面白くない。

 

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