energytransition’s diary

急速に変化する電力・エネルギー業界での出来事について慎ましく発信するブログです。

アメリカの大手太陽光発電デベロッパー 経営陣更迭

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アメリカの大手太陽光発電デベロッパーであるCypress Creek Renewables(サイプレス・クリーク・リニューアブルズ、CCR)が会長・社長を含む経営陣の交代を発表した。

 

CCRは2014年創業の新興企業であるが、積極的な案件開発やEPC部門の買収等を通じて急成長を遂げ、2018年には全米第二位のユーティリティスケール(メガソーラー)の太陽光発電デベロッパーとなっていた(出典:Wood Mackenzie Power & Renewables)。

 

但し、CCRは急成長の陰で資金難に苦しんでおり、今年1月には580MW相当の開発中太陽光発電資産をイギリスのインフラファンド(Cubico Sustainable Investments)に売却するなどして資金繰りの改善を図ると共に、全従業員の約20%のリストラを発表していた。

 

全世界共通の話かもしれないが、アメリカにおいて、特にユーティリティスケールやメガソーラーと呼ばれる大規模な太陽光発電案件の開発競争は激しい。こうした競争環境の中、CCRは他社との差別化を図るべくEPC機能を買収により取り込んだ。

 

これによりある程度CCRは差別化に成功した面はあるかもしれないが、それ以上にEPC部隊の人件費を中心とした固定費の負担が増えたマイナス面が大きかったように感じる。

 

よくありがちな話だが、EPC部隊を食わせるために相応の建設案件を常に抱える必要があり、その結果、必ずしも収益性の高くない案件や、開発の実現性に疑問のある案件、リスクの高い案件等に手を出さざるを得なくなり、結果的に想定通りにいかない出来事が増え、事業が行き詰った。そんなCCRの顛末であるように見受けられる。

 

現在発表されている新体制は暫定的な人事も含むようであるが、新経営陣はAESやTerraForm Power(旧SunEdisonのYield Co)出身者が中心とのこと。お手並み拝見といきたい。

 

注)上記は筆者の完全な私見であり、事実とは限らない。尚、CCRはプライベート企業であり、公開情報は限定的。

 

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