energytransition’s diary

急速に変化する電力・エネルギー業界での出来事について慎ましく発信するブログです。

企業による再生可能エネルギー調達が加速 2019年上半期(Bloomberg New Energy Financeレポート)

企業による再生可能エネルギーの調達が加速している。Bloomberg New Energy Finance (BNEF)が1月28日に発表したレポート「1H 2019 Corporate Energy Market Outlook」の骨子を以下の通りご紹介する。

  • 企業による再エネ調達は加速中。企業だけで2018年に13.4GW相当の再エネを調達しており、2017年の6.1GWから倍増。13.4GWの内、9.1GWは南北アメリカ(ほぼ北アメリカ)。今後の伸びはアジア・ヨーロッパの制度・規制緩和次第か。

f:id:energytransition:20190202113705p:plain

世界における企業による再生可能エネルギー調達量の推移(地域別)
  • 企業別の上位の顔ぶれは下表の通り。Facebookが3GW近くと圧倒的。以下トップ10社の合計調達容量は7.3GWにて全体の50%以上を占める。メガプレイヤーが容量ベースでは中心となっているものの、2018年には中小プレイヤーが需要を集約させて効率的に競争力のある再エネを共同調達する動きもあり。

f:id:energytransition:20190202113837p:plain

企業による再生可能エネルギー調達 上位10社(2018年)
  • 企業によるこれまではCertificate Purchases(主に再エネ証書の調達と理解)が主だったが、今後、オフサイトの風力・太陽光とのPPA(Power Purchase Agreement、長期買電契約)締結が増加する見通し。風力と太陽光の比較では、徐々に太陽光が増加するものの依然として風力が優勢。

f:id:energytransition:20190202114105p:plain

RE100加盟企業による再生可能エネルギー調達手段の推移見通し

 

気候変動や環境問題の影響が肌感覚として感じられるようになってきた昨今、サステナビリティへの社会の関心がこの先も高まっていくことは恐らく間違いないだろう。

 

そうした状況の中、特に社会・消費者の目線に敏感なB2C企業を中心として、CO2排出量削減・再エネ調達に向けた取組みは一層加速すると思われる。

 

今はRE100(消費電力の100%を再エネから調達することをコミットした企業が加盟する団体)等に加盟することで各企業が自社の取組をアピールしているが、その内、各企業のサステナビリティに関する取り組みを数値で評価する団体などが出てくるような気もする。

 

再エネ調達の最適な方法は国や地域によって様々なので、各企業はそれぞれの展開市場に応じて最適なアプローチを検討する必要があるが、その方法を各企業が把握しているとは思えない。ここのアドバイス・サポートのニーズが今後高まっていくように思う。でも景気が悪くなったらこういう動きもトーンダウンするだろうなー。うーん。