energytransition’s diary

急速に変化する電力・エネルギー業界での出来事について慎ましく発信するブログです。

ハワイ 再生可能エネ100%に向けて大規模太陽光+蓄電システム導入へ

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2045年までに電力の100%を再生可能エネルギー由来とすることを義務付けているハワイにおいて、大規模な太陽光+蓄電システム導入に向けた動きが進んでいる。

 

ハワイの電力会社(HECO)は7つの太陽光+蓄電システムプロジェクトの実現に向けてデベロッパーと契約交渉に入っていることを明かした。

 

各プロジェクトの詳細は明らかにされていないが、合計260MW程度の太陽光発電と併設される形で、4時間の充放電が可能な蓄電システムが導入される模様で、概要は以下の通りである。

 

  • オアフ島:3プロジェクト(太陽光120MW+蓄電120MW/515MWh)
  • マウイ島:2プロジェクト(太陽光75MW+蓄電75MW/300MWh)
  • ワイ島:2プロジェクト(太陽光60MW+蓄電60MW/240MWh)

 

ハワイのような小規模の島々はそもそも電力コストが高い。なぜなら、高コストのディーゼル燃料による火力発電等に頼らざるを得ない状況にあるからだ。

 

どうしてディーゼル燃料による火力発電などに頼らなければいけないかというと、大規模で効率的な発電所(例えば、ガス火力、石炭火力、水力など)を導入するに足るだけの需要がないケースが多いから。

 

そして、こうした島々の大半はディーゼル燃料を輸入に頼らなければならないので、その輸送コストが膨大となり、結果として非常に高コストのディーゼル燃料による火力発電によって電力を賄うこととなっていた。

 

今年、ハワイでは太陽光+蓄電システムから22年間にわたって$0.18/kWh(約19円/kWh)で電力を調達する契約が承認されているが、こうした先端技術がいちはやく導入される背景には上述の通りそもそもの電力コストが高いことがある。

 

一方、ハワイは決して広い島ではなく、太陽光や風力を大量導入するのに十分な土地があるのか疑問だがその点はどうなのだろう?100%再生可能エネルギー由来の電力網を作ることをコミットしているので勝算があるのだろうが、少し気になる点ではある。

 

たしかにハワイは日照も良く(面積当たりの太陽光発電量が多い)、風況も良い(風力発電所の発電量も多い)気がするし、工業が発展しているエリアでもないだろうから電力需要も巨大ではなく、限られた面積における太陽光・風力による発電で需要を賄いきれる、ということな気もする。

 

いずれにせよ一度再生可能エネルギー導入の最先端市場の一つであるハワイをじっくり視察に行く必要がありそうだ。。。

 

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