太陽光発電所の草を刈る羊
米国の太陽光発電デベロッパーであるNexampが、ニューヨーク州の太陽光発電所(7.5MW)の草刈りに150匹の羊を活用する。
太陽光発電システムを草の生える地面に設置する場合、定期的な草刈りが必要となる。通常は普通の芝刈り機を使うが、これは化石燃料を使うので、代わりに羊を使おうというのである。
しかし、実際どうなんだろうか。
羊は反芻動物であり、草を食べるに当たって多量のメタンガスを排出する。通常の芝刈り機を使ったときのように化石燃料も使わないし、二酸化炭素も排出しないが、温室効果が二酸化炭素の25倍とも言われるメタンガスを排出する。
感覚的には、羊の方が芝刈り機よりもはるかに「環境にやさしい」イメージがあるのはよく分かる。が、実際のところ、どっちが環境にやさしいのだろうか。仮にこの草刈りを目的として羊が増えるのであれば、必ずしも喜ばしいことではないことのようにも思う。
ちなみに、Nexampというのは本社をボストンに構える米国の有力太陽光デベロッパーであるが、三菱商事が筆頭株主である。三菱商事は2016年8月にNexampに出資し、以降、同社を通じて米国の分散型太陽光発電市場の成長取込みをはかってきた。羊はともかくとして、同社の動向にも注目したい。