energytransition’s diary

急速に変化する電力・エネルギー業界での出来事について慎ましく発信するブログです。

カリフォルニア州 電力の100%非化石燃料由来化に前進

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7月3日、米国カリフォルニア州の州議会下院の電力・エネルギー委員会は、2045年までに同州内の電力を100%非化石燃料由来とすることを義務付ける法案(Senate Bill 100、SB100)を10-5で可決した。

 

昨年、同委員会が同じ法案を審議した際は否決されていたと記憶するが、再生可能エネルギー業界の一年間のロビイングの成果が出たと言ったところだろう。

 

この先、同法案は正式に下院で審議され、仮に下院を通過すれば、ブラウン知事の署名をもって成立することとなる。ブラウン知事は親・再生可能エネルギーであまりにも有名なので、下院さえ通過すれば法案が成立する公算は高いと言って差し支えないだろう。

 

仮にこの法案が成立すれば、カリフォルニアはハワイに次いで電力の100%非化石燃料由来化を義務付ける二番目の州となる。ただし、ハワイは面積も人口も小さく、電力の大半を超高コストの石油に依存しているので、ハワイとカリフォルニアを並列に扱うのは無理がある。

 

少し注意が必要だと思うのは、カリフォルニアのSB100はあくまで全ての電力を「非化石燃料」由来とすることを義務付けようとしているのであって、「再生可能エネルギー」由来とすることを義務付けようとしているわけではないという点。

 

カリフォルニアには既存の原子力発電所水力発電所があり、これらはきちんと活用しましょうね、ということだ。実際には原発や水力の新設は立地・コスト・世論等の観点で難度が高く、この先カリフォルニア州で新設される電源の大半は再生可能エネルギー由来となる可能性が高いものの、こうした最低限の冷静かつリーズナブルな視点は非常に重要だと思う。

 

大変アグレッシブで先進的な内容であるSB100が成立するのか、成立した場合、SB100が目指す世界を一体どのように実現していくのか、カリフォルニアの今後に注目したい。

 

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